Santiago の後に訪れたAbelaidoは、一番近いPontevedraの町から約30kmの村。Gijonの友達Estherが引き合わせてくれたPetraは、とても魅力的な女性で、出会ってすぐにファンになってしまった。

Petraはオランダ出身で、17歳の頃から約10年間、世界中を放浪した。放浪中は、サーカスで働いたり、ミュージシャンをして旅の資金を稼いだりしたそうだ。そして、28歳の時にスペインを旅行中、この運命の地に心惹かれて、定住することを決めた。
その、購入することを決めた場所もすごい。当時の写真を見せてもらったが、廃墟になってから数十年経った石製の家は、家の中も外もジャングルのようだった。ここを再び人の住めるところにしよう!という覚悟と、こんな理想の場所にしたい!という想像力、そして途中で諦めることなく最後まで(いや、まだ進化し続けているけれども) やりきる根気に脱帽する。


(↑ 当時の写真…屋根がない!   ↓現在の写真)


(内装もため息が出るほど素敵…そして全て手作り)



そして、彼女は15歳の男の子のシングルマザー!妊娠中も出産後も、一人で父親と母親の二役をこなしている。さらに、当時は、最も近い家から自分の家までの約1kmは自動車の通れる道ではなく、すべての資材を手押車で運んだというから想像を絶する。
私達が泊めさせてもらった家(現在はゲストハウスとして利用、母屋は別にある)が完成するまでは、昔、食料庫として使われていた2畳分くらいの小さな小さな石製の小屋で暮らしていたそうだ。
建設期間中には、Petraの友達や、彼女の噂を聞いた友達の友達…などがたくさん手伝いに来てくれた。

そしてPontevedraの周辺には、家をセルフビルドしている十数組の家族がグループを作っていて、一月に一度、持ち回りで誰かの家に集まって、家造りを手伝っていたそうだ。だから、年に一度は大掛かりな作業を進めることが出来た。(この自助グループ良いなぁ〜日本に帰ったらやりたい!!)
Casadarteの周囲はとても自然が美しくて、Petraが一目惚れしたのもよく分かる。細い小川が何本も本流に流れ込み、周囲の木々や石垣は苔生している。敷地は現在、段々になっているが、当初はなだらかな斜面のジャングルだったため、一本一本木を伐採して(一部は建築資材になった) 、ユンボなどの機材で土地を整地していったそうだ。
敷地の周りには、資源が他にも沢山ある!


石畳を作るための手頃な大きさの石も、粘土質の土も。そして、地面は腐葉土でフッカフカで、畑で作物を作ることもできる。水は水量の多い支流から取水して、敷地内で浄化してから排水している。
あぁ、なんて理想的な暮らし方なんだろう。

鶏を飼い、畑を耕し、大自然の中で好きな時に好きなだけ時間を過ごす。自分達が建てた家で好きな時に好きなだけ音楽を奏でる。

(とても機能的なニワトリ小屋↑)

(全て手作りの音楽堂↓)

そして、この未完のプロジェクトをさらに自分の想像力で発展させることができる。
私達が日本でしていた”搾取”される消費生活とは真逆の”創造”し続ける生活。

”搾取”されて得るもの…例えばマイホームは、日本なら30年とか35年とかローンという名で搾取され続ける。そして払い終わった頃には、安堵感と疲労感とともに、またお金を払って修復しなくてならない家が待っている。

家 が消耗する 箱 ではなくて、人が手を掛けて創り上げていくものなら、30年後の家の姿も、そこに暮らす人の人生も、全く違うものになるんだろうなぁとしみじみ思う。

あぁ、私もこんな風に、その土地と共に年を重ねていきたいなぁ。