IDEALREAL
〜理想的な現実を 生きようじゃないか〜

*普通のサラリーマンだった夫婦が会社を辞めて、3歳の男の子と共に世界旅行へ旅立つまでのお話*

Hiroshi と Tomoko
共にサラリーマンの家庭に生まれ、
何不自由なく育ち、
成績はそこそこ良くて、
二人とも国立大学の大学院を卒業し、
東証一部の石油化学のプラント建設会社に就職。
仕事で海外を飛び回り、
シンガポール長期出張中に出会った。

帰国後、デートのために買った車はAUDI。
2年付き合って社内結婚。
翌年には長男のMizuki誕生。
ラッキーなことに保育園も決まり、
Tomokoは海外出張のない部署で復職。
貯金をためて、マンションを購入。
休日には家族でディズニーランド。

ハタから見れば、全てが ”順調”
絵に描いたような順風満帆な人生…

でも、それって本当??

…Mizuki誕生後、
Hiroshiはストレスで体調を崩して会社を半年休んだ。

就職してから、一生懸命に働いて、
長時間労働、当たり前
ストレスたまるの当たり前
パパはずっと海外で、子どもと離れて暮らすの当たり前

家族で仲良く、ずっと一緒に過ごしたいだけなのに、それが叶わないという矛盾。

家族で”幸せ”に暮らすためには、こんなに無理してお金を稼がなくてはいけないのだろうか??

Hiroshiは立ち止まって考えた。

…Mizuki誕生後、
Tomokoは家族の健康と、子どもの将来のことを一番に考えるようになった。

買い物で選ぶのはオーガニック野菜。
お金をかけても良いものを。
環境に配慮したエコな商品を。

それなのに…自分の会社は、世界中で環境を壊して、石油から化学肥料を作る工事を建設している。

何なんだろう? この矛盾は。
この仕事は、本当に自分の人生をかけてやりたい仕事なのだろうか?
自分の中でいくつもの不満や矛盾を抱えながら、このまま働き続けられるだろうか?
定年まで、ずっと?
生活のためにはお金が必要? だから仕方ない?

Tomokoの心は、いつもモヤモヤとしていた。

そんなある日、突然HiroshiがTomokoに向かってつぶやく…
「俺、田舎で農業したいんやけど」

「はー? なんで農業? なんで田舎?
そんな不安定な仕事で食べていけるの?
ビンボーは嫌だよ?
私はずっとサラリーマンの妻が良いんだけど?」

すんなり納得できるわけがない。

ちょうどその頃、Tomokoは10年ぶりに会った友達から『パーマカルチャー』の存在を教えてもらう。

なんなんだ、そのあやしい学問は??

神様のいたずらか、運命の巡り合わせか、とりあえず夫婦で1年間『パーマカルチャー』を学ぶことにした。

…学びはじめて1ヶ月も経たないうちに、夫婦一緒に進むべき道が見えてきた。
目から鱗の人生の大転換。

今でも心に残る師匠の言葉がある
「楽しく生きるためにはお金が必要って、虚しくないか?
一瞬の娯楽を”買う”ために、毎日シンドイ思いして働いて、お金を稼いで、また一瞬心を満たすためにお金を使って、また働く。
私はずっと、毎朝起きた瞬間から寝るまで、生きることが楽しいけどな。やりたいことがあり過ぎて、毎日忙しいぞ。」

ドキッ、本当だ。
今まで生きていた世界が違って見えてくる。

「何か面白いことないかな〜」
「とりあえず、ショッピングモールでも行く? それともテーマパーク?」
と、お金の使い道を探していた毎週末が虚しく思えてくる。
テレビでCMを見れば「金を使え〜 金を使え〜」
と、脅されているかのようだ。

自然に寄りそった手作りの生活に憧れる。
身の丈にあった、足るを知る生活。

「さあ困った → お金で解決しよう」の思考回路から、
「さあ困った → 工夫すればなんとかなるさ 又は 無くても平気」へシフトする。

よし、近いうちに二人で会社を辞めよう。
田舎へ引っ越そう。
お金のことは何とかなるさ。
家族で幸せに暮らすためには、そんなにたくさんのお金は必要なさそうだ。

そんな時、Hiroshi がまた Tomoko に向かってつぶやく…

「せっかく会社やめるなら、世界旅行に行かへん?」

「はー? 世界旅行??
人生のうちに一度はしてみたいと思ってたけど…
そんなに急に…
ま、いいね、行こうか!!」

一瞬で話は決まった(笑)

田舎へ引っ越して、畑を耕しはじめたら、きっと長期では家を空けられなくなるだろう。
Mizukiも小学生になるまでに、あと3年ある。
ちょうど良いタイミングかもしれない。

でもまさか、自分たちの人生で、本当に世界旅行を実現することになるなんて…!!

無意識のうちに踏み込んでいた心のブレーキが外れて、どんどんスピードが加速する。

決意が揺らがないように、さっさと旅の出発日を確定、航空券を予約する。
出発日は、約9ヶ月後。
そこからはスケジュールの逆算、やるべきことを、やるのみだ!!

HiroshiとTomokoは、上司に退職願いを出す。
Mizukiは保育園を退園することを伝える。
マンションは売りに出す。
帰国後の移住地探しで国内各地を訪ねる。
携帯は解約する。
国際免許を取得する。
海外旅行保険(2年間)に加入する。
予防接種を受ける。
社会保険や年金の手続き。
確定申告や税金についてのお勉強。
今後のために、いくつか資格を取得。
歯医者で虫歯を治療。
Workaway や WWOOF、Couchsurfing で滞在先を探す。
海外の友達と連絡を取る。
お世話になった人々に退職の報告をする。
マンション売却後、荷物を実家に移動。
住民票を抜く。
などなどなど…

振り返ってみれば、今までの人生で一番忙しい日々を過ごしたかもしれない。
でも、その一つ一つの積み重ねがあったからこそ、自分たちの心から進みたい方向に舵を切ることが出来た。

2016年1月29日 (金)
会社始まって以来(?)前代未聞の夫婦同時退職、理由は「田舎に引越して農業したいから」
思った以上に反響は大きくて、田舎暮らしに憧れている人が多いことに驚く。
同僚に多大なるご迷惑をかけつつも、とても温かく送り出していただいたことに深く感謝。

2016年3月6日(日)
『パーマカルチャー』を学び始めてから、まさにぴったり1年後。
Mizukiの保育園最後の生活発表会翌日、保育園のお友達に見送られながら、成田空港から世界旅行へ出発!
最初の国に選んだのはフィンランド。
長年の夢だったオーロラを見に行く。

たった1年前には全く想像もできなかった、家族そろって立つ新たなスタート地点。
人生で忘れられない思い出を、3人でいっぱいいっぱい作ろうと思う。

IDEALREAL 〜理想的な現実〜 を実現させるための、最初の一歩。